乱れ雲

目を伏せ、見上げ、睨み、顔を背け、振り返る。

すれ違い、行き交い、見返し、包み込む視線。

まなざしの映画。


























じぶんにとって、最高の映画監督(のひとり)である成瀬巳喜男の、最高の作品(のひとつ)である『乱れ雲』。

『乱れる』高峰秀子は濡れていなかったが、『乱れ雲』の司葉子は、加山雄三が見つめるまなざしと武満徹の官能的な旋律によってその瞳を潤ませている。

デコちゃんは加山雄三のことをdisっているけど、成瀬の加山も、加山の成瀬も素晴らしいじゃないか。